IoT機器を監視・制御するためには通信手段が必要となり、敷地内のような近距離であれば Wi-Fi や Bluetooth でプライベートネットワークで構成できますが、無人の遠隔地となるとインターネットを使わざるを得なくなります。 今回試作した IoT システムに使用しているインターネット接続環境を紹介します。
通信プロバイダは初期費用と月額料金をできるだけ安くできる条件で検討を進めました。 対象の遠隔地は無人が長らく続きすでに有線の電話回線も解約しているので、有線なり無線なり新規に敷設することになります。 光ケーブルは初期費用が2~3万円程度、月額料金も数千円するようなので除外します。 携帯電話回線を使ったサービスが色々ある中から、日本通信株式会社から提供されている b-mobile というサービスを採用しました。
サービス名 : b-mobile S 190PadSIM(DC/データ/マルチ)
SIMカードタイプ: マルチカットSIMカード
使用ネットワーク:NTTドコモ
初期手数料 :3,300円(税込)
月額料金 : 209円(税込) [100MBを越えて1GBまで 528円(税込)]
(注意)2023年12月24日現在、日本通信株式会社のHPを見るとサービスが変更になっているようです。
合理的シンプル290プラン 月額基本料:290円 含まれるデータ量:1GB
通信機器として産業用LTE、モバイルルータ、携帯電話機などが考えられます。
産業用LTEは信頼性は高いのでしょうが価格が高く対象から除外します。 携帯電話機(スマートフォン)を使って Wi-Fi テザリングでもいいのですが、この用途のためだけに携帯電話機を用意するのはもったいないし、一世代前に使っていた携帯電話機を転用するのは機器寿命が心配です。 そこでモバイルルータを新たに購入することにしました。 中古品を探してもそれほど安くはなっていないようなので結局新品を購入しました。
型名 :Aterm_MR10LN
製造会社 :NEC
購入価格 :14,445円(税・送料込み)

まとめ
初期費用 :17,745円
月額料金 : 209円
以上の費用で IoT システム用インターネット接続環境を構築することができました。
参考
データ通信量は、ファームウエア開発当初は2日で100MBに達してしまいました。 これを一カ月当たり100MBに収めるために IoT1号機と IoT2号機のファームウエアを何度も何度も変更しました。 具体的には機器から取得してクラウドに送るデータの種類を減らすことと、送信頻度を減らすことで対処しました。
データ種類:電流、温度、湿度 (気圧は除外)を IoT1号機と IoT2号機にそれぞれ割り当て。
分類 | 項目 | 時間(IoT1号機) | 時間(IoT2号機) | 単位 |
送信頻度 | 電流 | 6 | 12 | 分毎 |
温度、湿度 | 24 | 48 | 分毎 | |
受信頻度 | 制御コード | 1 | 2 | 分毎 |
制御遅延 | 1 | 2 | 分 |
以上
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